タイムトラベラー記者 はじめての現状報告に喜びの声

東部魔科学研究所は14日、タイムマシン派遣中のタイムトラベラー記者からはじめての現状報告が届いたと発表した。

現状報告をよせたのは、東魔法大陸の魔女戦争時代に派遣された記者だという。報告内容の詳細は倫理審査を経て公開されるが、それに先立って一部が一般公開された。

「魔女戦争のきっかけとなった”ミレーネ村五行魔女捕縛事件”に遭遇。

ミレーネ村内に居住していた火魔法使いの女性が王立兵団に捕縛され、属性変更を求める尋問を受けた。女性はこれを拒否したため、魔力乱用罪で魔法はく奪の処罰を受けた。

女性が属性変更を承諾しなかったのは、火魔法を用いた村の夜間警護を担当していたからである。夜間警護がなくなったミレーネ村は、まもなく野党の襲撃を受け壊滅。周辺の領民に衝撃を与える事件となった」

東部魔科学研究所タイムマシン研究室のR氏は、

「ミレーネ村事件は、東魔法大陸で魔女狩りが過激になったきっかけの一つです。当時は村の壊滅理由として、魔法をはく奪された魔女の恨みによる呪いだと信じられていました。でも今回の報告で、当該の魔女は村の破壊者ではなくむしろ、村を守る役割を担っていたことが判明したわけです。

これは歴史学的にも倫理的にも、非常に意義のある報告ではないかと。今後は倫理審査を通して、捕縛された魔女の実名公開を含めた詳細の公開に向けて動いていきます。何世紀も不名誉な噂を流されていた方ですから、名誉の回復を望みますね」

と語っている。