余剰魔力を解呪師へ 広がれ献力(けんりき)の輪

こんにちは、魔法社会担当ミタスノミダスです。今回は魔法使いなら誰でもできる”献力”についてお伝えします。

呪い治療の関係者を応援したい!

みなさん今年の冬は、呪いを避けられていますか?どれだけ気をつけていても、知らず知らずのうちに罹ってしまうのが呪いというもの。解呪師のお世話になったという方もいるかもしれませんね。

呪いに罹るといつも痛感するのが、解呪師をはじめとする治療関係者の賢明な仕事ぶりです。皆さん、呪いを解くために精魂尽き果てるまで治療にあたってくださいます。本当に感謝感謝で、なにか応援したいと思う人は多いのではないでしょうか?

解呪師の応援は難しい?

しかし治療の世界は専門領域ですから、おいそれと役に立つことはできません。献金などの金銭的援助も、お金に呪いが含まれるリスクがあるので好まれない傾向にあります。お金で応援できないのは、科学的公益業界と比べて応援が難しい…

しかし!呪い治療者を応援する方法が無いわけではありません。むしろ、魔法使いなら誰でもできる方法で、超簡単に治療者応援ができるのです!それが献力!

献力とは

献力とは、魔法使い協会が管理運営する公益活動です。読み方は、けんりき。解呪師など公益目的で働く魔法使いが魔力不足に陥ったときに、治療回復のために使う魔力を無償提供するという活動です。

献力は輸力治療に必要

通常、呪いを解く際には心身ともに多大な魔法学的ダメージを受けます。解呪師をはじめとする呪い治療の魔法専門職は心身のダメージを魔力消費に変換することができますが、必要とされる魔力は大量です。深刻な呪いを解くときには、魔力の自然回復が見込めない状態になることもあります。

そのような大量の魔力消費を回復するには、第一に儀式や薬品といった魔法学的治療を行います。しかしそれでは回復が追いつかない場合、他者由来の精製魔法粒を輸力することで治療します。この輸力に使用する精製魔法粒を提供するのが、献力というわけです。

だれでもできるが、自発的に無償で提供する必要あり

献力に使用する精製魔法粒は、類似の引き出し傾向にある複数人の魔法使いから採取した魔法粒を混合し、均質化処理を施してから使用されます。そのため、どんな魔法使いからの献力も歓迎されます。

ただし、主に解呪師の治療に使われるため、献力は呪いリスクの低い方法で採取されなくてはなりません。精製段階で解呪処置を施すことは可能ですが、解呪師の回復のために別の解呪師を使うのは、本末転倒(というか自転車操業?)ですからね。

魔法粒の採取は基本的に呪いリスクが高い行いですが、自発的・無償提供・苦痛のない方法の3原則を守って採取するとリスクは限りなく0に近づきます。治療者を助けたい!サンキュー!という気持ちで献力すれば、なんの問題もないということですね。

魔法使い協会魔力調整局が一括管理&運営

献力は高度なリスク管理を要する第一級公益活動とされています。その管理運営は厳しい倫理検査を通過した組織・機関しか認可されません。今のところは、魔法使い協会魔力調整局だけが行っています。

魔力レンタルサービスよりも安全性・公益性が高い

魔力を採粒するといえば、魔力レンタルサービス(G2など)を思い浮かべる方も多いかもしれません。こちらは民間企業と魔力調整局が協同運営する魔力売買サービスです。

魔力売買と献力は魔力を採粒するという行為が共通していますが、次のような点に違いがあります。

魔力レンタルと献力のちがい

  • 魔力の使用目的
  • 採粒者、精製許可の有無
  • 有償・無償
魔力の使用目的

魔力レンタルサービスはご存じのとおり、購入した魔力をサービスが定める範囲の複数の用途に使用できます。一方で献力で扱う魔力は、公益目的で働く魔法使いの治療・回復にのみ使用します。

自分の魔力の使い道が限定されていることから、献力の方が公益性が高い行動であると言えます。

採粒者、精製許可の有無

採粒者とは魔力を魔法使いから取り出す人のことで、精製許可とは複数人の魔法粒を混合し均一化する処置(精製)を国家もしくは世界機関に許可されていることを意味します。

魔力レンタルサービスは採粒者・精製許可のどちらも持たないことになっています。採粒は魔力を売却するユーザー自身が行います。また、複数人の魔法粒を混合して管理することは認められておらず、一人一人の魔力は別々に管理されています。対して献力では、採粒・精製共に専門技術を持った魔法使いが行います。採取した魔法粒は混合精製した状態で管理・保存されます。

こういった採粒者・精製許可の違いは、魔力を提供した人の賠償責任のリスクに違いをもたらします。魔力レンタルでは採取した魔法粒の安全性や効能の第一責任は売却ユーザーにあり、売却した魔力を原因とする問題が発生した場合はユーザーが罰則をうける可能性があります。献力では、魔法粒は混合精製した時点で匿名化され、管理・運用の責任は魔法使い協会に移ります。つまり、魔力提供者には一切の賠償責任が発生しません。

有償・無償

当然ですが、有償・無償の違いもあります。魔力レンタルは、魔力の金銭売買を仲介する目的で創設された商業サービスです。魔力のやり取りは有償で行われなければなりません。これは対価を受け取ることで売却ユーザーに提供魔力の第一責任があることを明確にするねらいがあります。

献力の場合は、無償で魔力を提供することに同意した人からしか献力を受け付けません。その理由は、公益に付する安全な魔法粒を採取するために呪いリスクを軽減する必要があるからです。

他にも提供可能な魔力量が献力の方が多い、魔力レンタルは売買にかかわった魔法使いに共同呪縛のリスクがあるなど色々な違いがあります。しかし総じて、献力の方が安全性・公共性が高く、魔力レンタルの方が利便性・収益性が高いという特徴があります。

献力の現状

公益性が高く、かつ安全な行動といえる献力ですが、実はあまり広まっていない現状にあります。魔法使い協会に登録された全魔法使いの中で、献力を経験したことのある人は約3割。実施率はかなり低いといえます。

呪いにかかりそう…は誤解!

献力をしない理由として最も多いのは、「呪いが心配」というものです。”他者からの魔力奪取はする側・される側の両方に呪いリスクが高く、避けるべき行動である”というのは、魔法倫理学の基本ですね。献力は魔力を他者に採粒されるため、「呪われそう」というイメージが強いようです。

しかし魔力の奪取と、献力で行う魔力の採粒は根本的に全く違う行動です。

魔力の奪取は

  1. 同意なき対象から
  2. 同意なき量を
  3. 同意なきタイミングで奪う

という3つの不同意によって魔力が移動することを指します。

献力は

  1. 無償提供に同意した対象から
  2. 同意した少量の魔力を
  3. 提供者の自発的なタイミングで採粒する

という、3つの同意に基づいた魔力の移動です。加えて、献力は魔力の採粒に苦痛の少ない方法を採用し、提供者の呪いリスクを限りなくゼロに近づけるようにしています。

治療連による統計では、献力を原因とした呪い罹患者は年間で100人未満(治療連白書6000)。呪い罹患率は0.002%です。食べ放題で一皿分の食べ残しをしたときの呪い罹患率が2%であることを考えると、ほぼ無視してよいほどの低確率といえます。

呪いに罹りそう…というイメージは誤解だったのですね。

全魔法使いが年に一回献力するとベスト

献力が広まっていないということですが、あとどれくらい献力すればよいのでしょうか?これまた治療連の報告によると、献力が必要とされる量は実現不可能なほど多くはありません。全ての魔法使いが一年に1回、1時間程度の献力を行うだけで、年間に必要な魔力量は確保できます。

1年1回で良いと思うと、非常に手軽な気がしてきますね。

献力って怖くない?よくある質問を聞いてみた

献力について調べてみると、そこまでハードルの高い行動ではなさそうな気がしてきます。でも、やっぱりなんとなく怖いイメージはぬぐえない…ということで、献力の運営元である魔力調整局に直接取材!一般魔法使いが思う献力の疑問をアレコレ聞いてみました。

ご協力いただいたのは、魔法使い協会魔力調整局献力課のチューチュウタコデンデンさん(以下デンデンさん)です。ここからは筆者(以下ミタス)との対話形式でお送りします。

魔力調整局のリーフレット

ミタス

献力ってよくわからないことが多いのですが、簡単に内容がわかるような資料はありますか?

デンデンさん

魔力調整局が献力について、よくある質問をまとめたリーフレットをご用意しています

デンデンさん

献力をしたことがない方へのアンケート調査によると、献力を躊躇する理由は大きく3つに分けられます。

それは

①そもそも献力を知らない、②呪いへの不安、③魔力レンタルサービスと混同している、です。

献力は無償ですが、公益性が高く低リスクな行動です。ぜひ、お気軽にご協力いただければと思います。

ミタス

すでによくある質問が用意されていたとは!このリーフレットはどこで読めますか?

デンデンさん

全世界の魔法使い協会支局や、ショッピングモールなどでフリーペーパーとして配布しています。

ミタス

身近にあるのにいままで全然気が付きませんでした。これからは探してみよう~

こわい!のほとんどは誤解が原因

ミタス

リーフレットにもありますが、魔力を取られるってなんとなく怖いイメージがありますよね。

呪われそうとか、そんなことやる団体って大丈夫なの?とか

デンデンさん

良くお聞きします(笑)

魔力を安易に受け渡ししないというのは魔法使い倫理の鉄則ですから、警戒される方が多いのだと思います。

ですが皆様の不安の中身をお聞きすると、そのほとんどがすでに対策済みの問題です。

こわいと感じるのは、無知や誤解が原因なんです。

ミタス

存在を知らないとか、倫理観ゆえの誤解で、献力から足が遠のいているというわけですね

デンデンさん

献力は呪いリスクを軽減するために、納得してご協力いただくことを重視しています。

献力ルームに入ったら最後、魔力をカラカラにしぼり取られてしまう…といった

都市伝説は全くのデマですので、

安心して、まずは見学だけでも…

納得して献力すれば安全に

ミタス

えっ?見学だけでもOKなんですか?

デンデンさん

もちろんです!

初回はカウンセリングだけ受けて、考えてから後日献力という方もたくさんいらっしゃいますよ

ミタス

けっこうグイグイ来るイメージがあったので、意外です…

デンデンさん

せっかく献力いただいても、不安なままでは精製コストがかさんでしまいます

時間がかかっても納得していただいた方が、

提供する側もされる側も安全なんです

したくない人はしなくて良い

ミタス

説明を聞いて、結局しないことにする

っていうのもアリですか?

デンデンさん

おおいにアリです〇

献力についてご理解いただいた上で、しないことにする決断をした方もたくさんおられます

理由は様々ですが、主義主張は自由ですし、無理に説得することもありません

”したくない人はしなくて良い”が献力の原則です

ミタス

コイツ…(白い目)っていうのもありませんか?

デンデンさん

はい、全然(笑)

うちのスタッフも献力をしない派はいますが、献力する人が偉いといった雰囲気もなく

献力しないなら輸力しないでは大きな間違い

ミタス

へえ~意外です。

献力派の人って正義でグイグイ押してくるイメージなので…

デンデンさん

そう思われる方は多いと聞いています

実際はそうではないのですが、どこでそういったイメージが生まれてしまうのでしょうね?

ミタス

うーん、例えば

「献力しないヤツは輸力が必要になっても断ってほしい」とか

そんなこと言う人多くないですか?

排他的な正義感というか、引き込み圧力が強いというか…

デンデンさん

ああ…

それは本当に困った誤解です。

「献力しない人は輸力しないで」というのは、もっともらしく言われていますが

完全なる間違いなんですよ

ミタス

えー!?そうなんですか

けっこうそういう理由で献力をおすすめしている人

多いと思います

デンデンさん

献力・輸力というのは、呪い治療に携わる人の治療・回復にのみ使われます

具体的に言うと、解呪師やその助手、治療機器の管理技士などですね

そういった職業の人々が、職務によって自己回復不可能な程度の魔力消耗をした時に

「これしかない」という場面で選択されるのが輸力なんです

ミタス

つまり、一般の魔法使いは輸力されるチャンスがない?

デンデンさん

はい

献力していただく方の中には、自分の提供した魔力がまわりまわって自分の保険になるような

「情けは人の為ならず」的イメージを抱いている方も多いようですが、

それは基本的には誤解です

献力のカウンセリングを受けたことがある方はご存じだと思いますが、

職務上呪いを受けるリスクが高い方、現在呪いを受けている方は献力協力ができません

輸力対象となるような職業についている方はほぼ100%無理です

ミタス

「献力しないなら輸力するな」ってデタラメじゃないですか!

デンデンさん

とんでもないデマですし

こういうことをおっしゃる方は、献力をした経験もないと思われます

必ず事前に説明されますから…

ミタス

「高圧的な正義漢に真実はない」とはこのことですね

デンデンさん

どうしてこのようなデマが広まってしまうのか分かりませんが、

われわれとしても啓発活動に力を入れていかなければなりませんね

※のちに調査したところ、科学的公益活動である献血にかんして流布していた言説が、献力にも持ち込まれた可能性が高いとのことです。
献血の分野でこの言説が正しいのかどうかは、魔科分離に反する可能性があるため判断できません。しかし少なくとも魔法学的行動としての献力には「献力するなら輸力するな」を適用できないことが分かっています。

魔法使い協会本部で献力体験!

献力についてよく理解したところで、わたくしミタスノミダスも献力を体験してみます!人に勧めるからにはまずやってみないとね!ということで。取材協力いただいたのは魔法使い協会本部の献力ルームです。

魔法使い協会はすべての支所および本部に、献力用の採粒施設(献力ルーム)を備えています。24時間対応でいつでも来訪OK、労働時間や生活スタイルを問わないヴァーチュフレンドリーな経営を採用しています。

献力ルームの入り口はこんな感じ!

完全個室になっており、プライバシーを確保したい方にも安心です。取っ手の近くに表示板がありますので、「空室」となっているドアを開けましょう。ちょうど先客の方が右の部屋に入っていかれたところだったので、筆者は左側の緑のドアの献力ルームに入ります。

献力ルームの室内はどうなっているのか?気になりますよね。

じゃーん!こんな感じです!

意外にも?当然?落ち着く雰囲気のきれいなお部屋でした。ここで献力の手続きはすべて行われます。

事前カウンセリングを受ける

一つの献力ルームには2人のスタッフさんがいます。一人は解呪師など、魔力の採粒資格を持つ魔法専門職。もう一人は心理師や精神医学者など、心理カウンセリングの資格を持つ科学専門職です。

魔科学両面から協力者の様子を観察して、呪いリスクが高い人からの魔力採粒を避けているんですって。慎重ですね!

問診票に記入

まずは魔法使い協会の登録証を提示して、問診票の質問に答えていきます。問診票を記入している時にはスタッフさんは退席していますので、思いのままに回答しましょう。

解呪師と心理師のカウンセリング内容

問診票への記入が終わったら付属のポストに提出し、面接がスタートします。

通常カウンセリング内容は極秘で、カルテやメモは判定後に破棄されます。しかし今回は取材ということで、特別に筆者が受けたカウンセリング内容を公開しちゃいます。何を聞かれるんだろう?と不安な方も参考にしてみてくださいね。

解呪師さん

本日はありがとうございます、カウンセリングを担当する解呪師のクマハチ(仮名)です

心理学者さん

臨床心理学者のジローネン(仮名)です、よろしくお願いします

ミタス

おねがいします

解呪師さん

まっ、カウンセリングといってもお話するだけですから。気楽にやってくださいね

出来ればウソはつかないでほしいですけれど、ついてもちゃんとバレますから(笑)

安心してください

ミタス

結構ざっくばらんな感じなんですね

心理学者さん

通常の心理面接に比べても、ザックザクのバランバランです

世間話するためにいらっしゃる人も多いですよ

ミタス

へえ~!楽しそう♪

解呪師さん

先ほど広報でお聞きになったと思いますが、献力は納得して協力いただかないといけません

このカウンセリングでは、

①献力に納得していただけているか

②呪いリスクが高すぎないか

の2点を確かめるためのものです。

かしこまってやるより、リラックスしたほうが早く終わりますから、なんでも思ったことをお話しくださいね

心理学者さん

もちろん私たちは面接のプロですから、職務倫理にのっとって

・プライバシーの保護

・知識非対称性への配慮

に努めます

ミタス

ちしきひたいしょうせい…?

心理学者さん

簡単に言うと、

専門家の立場を利用して回答を誘導したり、献力するように強引に説得するといったことは

ありませんということですね

魔科学の専門家が1人ずついるのは、お互いに不正をしないか監視しあう意味もあるんですよ

ミタス

すごく倫理観をもってカウンセリングしているんですね

解呪師さん

はい。今日はよく組むペアなので比較的安心してますが、

知らない心理学者が来たときは内心バッチバチで…(笑)

ミタス

献力したいですか?

解呪師さん

まずは基本的なことをお聞きします

ぶっちゃけ、献力したいですか?

ミタス

したい…!というほど積極的ではないですが

してもいいかなとは思っています

解呪師さん

率直なお答えで安心しました(笑)

献力は無償提供が原則ですから、目に見えるリターンはありません

それでも構わないよという気持ちがある方にご協力をお願いしています

ミタス

是非したい!と答えると問題がありますか?

解呪師さん

そういうわけではありませんが…

誤った認識や、いびつな動機をうたがうことはあります

極端な思考は呪いのリスクが高いですから

心理学者さん

僕なんかは今回、ちょっと心配していたのだけど

記者さんとして「取材のために献力しないと」という職務上の義務感でイヤイヤ来たのだとすれば

自発性に乏しいおそれがありますよね

解呪師さん

・内心は嫌なのに、周囲の雰囲気にのまれて来てしまう方

・献力で何か良い事が起こるのを過剰に期待している方

なんかはこの時点でお断りしていますね

ミタスさんには献力への拒否感が特段ないようなので、ご協力お願いします

ミタス

なるほど

献力は公益性が高い行動というイメージが強いので、まちがった正義感・義務感を携えてやってくる人もいるんですね

心理学者さん

民間企業さんなんかで、公益性アピールのために全社員を献力させにくることがあるんですが

そういう時は3割~5割くらい不適合だったりします

双方にとって良いことなしなので、やめてくださいね…

ミタス

マジで大変だったときのトーンだな…

呪われていませんか?

解呪師さん

では次に、お仕事や生活上の呪いリスクを判定していきます

問診票を見ると、ミタスノミダスさんの呪いリスクは中等度Aという区分でした

こちらが判定表となります

ミタス

問診票に答えると自分の呪いリスクが分かるんですね

私は中等度Aか…これは高いんですか?

解呪師さん

呪いへの罹りやすさはごく普通です

体調が悪い時や、気持ちが落ち込んでいる時などは呪いに罹ってしまうことがありますが、

元気な時に普段の生活で呪いを拾うことはほぼありません。

心理学者さん

種族によって呪いへの罹りやすさが違うことはご存知ですか?

魔法使いは比較的多種族よりも呪いに罹りやすい性質を持っています

ミタスノミダスさんの中等度Aというのは魔法使いとしては良い方で、

呪い耐性は上位30%に入ります

ミタス

そうだったんですね!

私、呪いに強いんだ~♪

解呪師さん

そうは言っても、魔法使いとしてですから(笑)

普段から元気に、呪いを避ける生活をしたほうがいいのは言うまでもありませんよ

心理学者さん

科学人なんかは、呪いにほぼ罹らない”軽度”の判定が出る方がたくさんいますからね

中等度Aというのは、科学の世界ではちょっと繊細な人です

ミタス

調子に乗ってはいけませんね、用心用心…

解呪師さん

献力をするにあたって、心身の状態を確認する必要があります

見たところ、心身ともに大きな問題はなさそうに思いますが…

元気ですか?

ミタス

はい、そこそこ元気です!

心理学者さん

心理学的にも不安や不調はなさそうです

よろしければこのまま献力にご協力いただいても構いませんか?

ミタス

はい、おねがいします~

いざ!採粒

カウンセリングが終わると、いよいよ魔力を採粒します。

魔力の採粒方法は、魔力レンタルのG2でおなじみのブレスレット方式です。魔法粒吸着性の針が付いたブレスレットを装着し、しばらく置いておく方法です。

魔力レンタルサービスと違って、魔法粒を取るのは解呪師さんがやってくれます。G2なんかは、自分で手首にプチっといくのが怖いんで、専門家にやってもらえると助かりますね。

ミタス

それにしてもこの解呪師さん、治療院の解呪師さんよりはるかに優しい…

解呪師さん

解呪ではないですから、態度は当然違いますよ

解呪師が治療時につっけんどんで嫌味になるのは、職務上必要だからです

普段の性格は、みんな普通です(笑)

ミタス

さすが解呪師さん、読心術かんぺき…

ブレスレットを着けて1時間待機

採粒中はルーム内で自由に過ごすことができます。必要な時間は約1時間。雑誌やゲーム(オフラインに限る)など、暇つぶし道具が充実していて快適に過ごせます。お昼寝をしてもOK。実際、献力ルームに仮眠に来るサラリーマンは多いそうですよ。

ルーム内は快適で、採粒時間はあっという間に終了。終わった後に疲れや気分の落ち込みはなく、負担感はほぼありませんでした。元気な状態なら問題ないというのは本当だったようですね。

ただし、呪い耐性が低めの方は気分が悪くなったりすることもあるらしいので、前日はしっかり寝ていきましょうね。

粗品と記録カードを受け取る

心理学者さん

これで献力はおしまいです、お疲れさまでした

こちらは献力の記録カードで、

こちらは粗品となっております。

ミタス

む?!献力は無償提供なのでは?

解呪師さん

慣例として、換金性の低い粗品をお渡しすることは無償の範囲に入っています

粗品を受け取ったからといって呪いリスクが上がるわけでもないですから

安心して受け取ってください

それに、ミタスさん。お菓子好きでしょ?

ミタス

やっぱり解呪師さんに隠し事はできないですね!おいしい~♪

心理学者さん

生活に支障がない程度とはいえ、献力は魔力を消耗します

粗品で少しでも気分を上げて、呪いに罹らないようにしていただけると幸いです

献力で治療者を応援しよう!

今回は魔法使いならほぼ誰でもできる公益活動、献力を取材しました。

献力は公益性・安全性が高い行動ですが、なかなか広まっていない現状にあります。しかし、治療関係者が呪いで大ダメージを負ったときの頼みの綱となる重要な活動なのです。

するかしないかは自由に決めてよい行動ですが、誤解で避けてしまうのはもったいない(粗品もおいしいですし)!こわいと思っている方も、一度正しく献力を知ってみることが大切です。

お近くの献力ルームに遊びに行ってみてはいかがでしょう?

以上、ミタスノミダスでした。