“魔境はとにかく住みにくい”若い魔法使い中心に脱魔境のなぜ

魔法使い協会生活保全局は、6001年魔法使い生活状況調査の結果を開示した。

調査結果によると、100歳以下の若年層が魔境から他地域に移住する事例が増加していた。生活保全局は、魔境帝国は魔法使いの就労人口が多く若年人口の流出はただちに問題となるわけではないとしている。ただし今後数世紀の魔法使い分布に影響を及ぼす可能性があり、将来的に魔境帝国が魔法使い不足となるおそれがある。

この調査結果を受け、アンケートエージェントは100歳以下の魔法使いに「住みたい国・街」に関するアンケートを実施。「魔法使いの住みたい街ランキング6001」を発表した。

アンケート結果によると、若年魔法使いが住みたい街ベスト3は次のようになった。1位:クイーンサンディア女王国の首都サンディ、2位:東部地区第一研究都市(魔科学研究所管轄域)、3位:パヤパパ妖精王国内トライジア地区。いずれも魔法使い人口が多い地域がランクインした。若年魔王使いが流出している魔境帝国は、住みたい街ベスト10にはランクインできなかった。

この結果についてアンケートエージェントの魔法系データ分析チームは、「魔法使い人口は、全人類の10パーセントといわれています。魔法使いは原則どの国でもマイノリティとして扱われますが、東西魔法大陸は比較的魔法使い人口が多く、他地域の魔法使いからは暮らしやすいイメージがあるようです。また、東部地区は研究者のみ居住可能な地域ですが、研究熱心であればこれほど暮らしやすい地域はありません。魔法学校に在学中で研究の日々を送っている魔法使いにとっては魅力的に映るのではないでしょうか。」と分析している。

一方で、魔境帝国が就労機会が多いわりに住みたい街と思われていない理由については、「魔境帝国は元来科学人口が多く、魔法使いは非常に希少な存在となっています。尊敬や憧れの対象となることも多いですが、人間社会は科学人を中心に回っています。魔法使いらしく生活するにも、科学人に溶け込んで生活するにも不便ということで、特に労働年齢にない若い世代から忌避されているのではないかと思われます。」と分析している。

魔法使いは人口面でマイノリティとなることが多いからこそ、できるだけ同族で集まりたいと思うのかもしれない。