6001年1月の最新ニュースまとめ その1
はじめまして、文字ノ泉ニュース最新ニュース担当になりました、ローマ=ヘボンです。もう2月ですが、1月の最新ニュースをまとめてお知らせします。
6001年1月最新ニュース
・6001年時空の旅 タイムマシン試験稼働始まる
昨年から派遣計画が進められていた無干渉タイムマシンの試験稼働が始まった。東部魔科学研究所内タイムマシン研究室は、第一派遣隊として4グループの派遣を発表。タイムトラベラーチームは1月中旬から順次派遣される。
世界史上初の快挙に東部地区区長会は「安全安心を一番に、心躍る旅を」と、往年の名作ドラマ「6001年時空の旅」のセリフを引用して激励した。
・タイムマシンの行き先はどこへ…4機が訪れる歴史的出来事
タイムマシンの第一派遣隊4グループの派遣時間帯が発表された。タイムマシン4機はそれぞれ別の時代に派遣される。どの時代も歴史の転換点となる出来事が起こった時代で、タイムトラベラーたちは歴史の証人になる模様だ。
第1グループは魔女戦争時代の東魔法大陸へ。第2グループは天上天界の黎明期へ。第3グループはグレートソード時代の魔境大陸へ。第4グループはSSIAの七島海戦時代へ、それぞれ派遣予定だ。
・歴史は本当に変わらないのか?タイムトラベル隊員の絶対遵守ルール8か条
東部地区は、タイムマシンの試験稼働にともなって、タイムトラベラーの遵守事項を公開した。今回の発表は東部地区倫理審査委員会の要請によるものだという。
タイムトラベラーは次の8か条を遵守することが求められている。
- タイムトラベラーは100時間に1度以上タイムマシンに帰還し、歴史無干渉処置を受ける。また、機外では無干渉装置を携帯する。
- タイムトラベラーは時代原語と衣装を徹底し、原時人に溶け込むように行動する。
- タイムトラベラーは2名以上の複数で行動する。単独行動は避ける。
- カメラやレコーダーなどの記録機器は使用せず、個人の記憶と歴史記法に基づいたメモで記録を取る
- 無干渉処理でなかったことになるとしても、特定の原時人と親密にならない
- 原時人とのトラブルを避ける。絶対に殺害されないように。
- 命の危険がない限り、原時人にはタイムトラベラーだと明かしてはいけない。
- 大きなトラブルに巻き込まれそうになったときは、速やかにタイムマシンに帰還する。
・原因は“ただの風邪”タイムマシン1機派遣延期へ
タイムマシンの第一派遣チームの1つが派遣延期になっていたことが分かった。隊員の一人が軽度の風邪症状になっていたことが原因である。
東部魔科学研究所タイムマシン研究室は、「無干渉タイムマシンはウイルスも回収可能だが、トラブルを避けるために念のため派遣を延期した。正直に申し出た隊員の倫理観には敬意を表したい。」と回答した。
・襲撃事件から人が変わった?イディア首相の変貌“穏やかな気遣いの人”
魔境帝国のイディア首相の省内からの評判がうなぎ上りだ。イディア首相を担当する内務省スタッフによると、「イディア首相は襲撃事件以来人が変わったかのように穏やかになり、優しいと大評判です。以前にはなかったスタッフとの歓談時間が設けられ、労働環境の改善にも着手しています。命拾いすると人柄も変わるのでしょうか、国民の生活改善にも意欲的になっています。」と人格が変わったと思われるほどの豹変ぶりである。
以前のイディア首相は政策の実行力・推進力に定評があったが、これからは広く国民の意見を取り入れる姿勢が注目されていきそうである。
・魔境帝国内閣 首相の言葉遣いで支持層が変化 作為か偶然か?
アンケートエージェント社は魔境帝国国民を対象に世論調査を実施。「現在の政権を支持する」と回答した人の年齢層に変化が見られたと発表した。
これまでの世論調査ではイディア首相は50代以上から人気を集めていたが、今回の調査では14ポイント支持を落とした。一方で35歳以下の若者からの支持が急増。全体の支持率は魔境帝国としては超高水準の58%を記録した。
若年層からの支持を伸ばした理由として、アンケートエージェント分析局はイディア首相の言葉遣いの変化を指摘している。イディア首相は昨年12月ごろから会見党で平易な言葉遣いをするようになっている。親しみやすい表現や生活感のある話しぶりが若年層の共感を呼んだのではないかと考えられる。
・SSIA首脳会議から逆風バッシング 戦災復興の理解求める
昨年の首脳会議以降、SSIAに対するバッシングが問題になっている。SSIAは先の南北戦争による戦災復興を優先させるため、北側難民の積極支援から離脱する考えを示した。
SSIAの意思表示を受けて、当初予定されていた大規模は北側難民支援は対象を拡大。各国は大陸海没に限らず、生活が困難な人々の支援を展開することとなった。
支援の幅を広げたSSIAの提言は結果的に意義があったといえるが、一部地域では北側難民支援を渋ったとしてバッシングが噴出している。
特にバッシングが過激化している個人紙について、M4の個人紙調査局は捜査状況を開示。SSIAに対する誹謗中傷を掲載している同一内容の大量の個人紙が、北側至上主義団体を資金源として発表されていたことが判明した。
特定の主義主張を流布することを目的とした団体から資金提供を受けて個人紙を発表する行為は、各種個人紙サービスの利用規約に抵触するおそれがある。個人紙配信サービスを運営するレッドタートルは当該記事を削除し、個人紙登録者の凍結処置を行ったとしている。
・北側支援離脱のSSIAを叩く人が全く理解していない3つの事実
SSIAが首脳会議で北側支援を離脱したことが物議をかもしている。SSIAを「公益心の無い利己的な地域」とバッシングする声も聞かれるが、それは事実を誤解しているのかもしれない。
第一に、SSIAは先の南北戦争で北側諸国の攻撃を受け、最も戦争被害を被った地域である。SSIAの主要七島のうち、エブン島・ベネブ島・ツルウ島の3島は特に被害が深刻で、島民の生活基盤は未だに十分な復旧ができていない現状がある。
第二に、SSIAは海没者の初動受け入れ最多地域であった。SSIAは北側諸国が海没した時に最も多くの避難民を受け入れ、島民として保護した。北側難民支援をしない地域というレッテルは完全な誤解であるといえる。
第三に、首脳会議でSSIAは北側支援に側面的に協力することを確約している。SSIAは首脳会議にて「現状を超えた北側への限定的積極的支援は不可能である」と表明したが、同時に「これまでの北側支援のノウハウを共有するなどの側面的支援に関しては役割を持てる」と提言した。支援離脱のイメージとは裏腹に、SSIAは北側難民支援の先進国なのである。
・首脳会議で方針に好影響SSIAの島主 支持率上昇
首脳会議の提言が賛否両論を呼んでいるSSIAだが、住民からの指示率は上昇している。SSIAは首脳会議の主要テーマであった北側難民の大規模支援に対し「生活に困窮しているのは海没避難民だけではない」と新たな視点を提示。SSIAの戦災復興を含めた世界規模の困窮者支援計画へと方針を転換させた。
首脳会議に好影響を与えた島主に対し、住民たちは「深い尊敬を覚える」「ポリティカルでありながら公益的」と高い評価を示している。
・国際社会で存在感示せるか 6001年は東西魔法大陸M4の正念場
首脳会議の結果、M4は魔法技術を駆使した北側難民支援を展開していくことが決定した。M4は南北戦争で北側諸国と対立し、海没後も大陸規模の支援策が立ち遅れてきた。首脳会議の結果を受けて、M4が北側支援にようやく本腰を入れることとなる。
M4はハーベシアモデルなど自治体規模では難民支援の先進事例がある。先達の知見を活かし、大規模支援で国際社会をリードできるか。6001年は東西魔法大陸にとって正念場となりそうだ。
・首脳会議の成功祝いM4首脳陣の祝宴 賛否別れる
昨年の首脳会議の成功を祝い、M4の首脳陣が祝宴を開催していたことが分かった。会場は東西海域の孤島で、元首を除くM4の各国首相が一堂に会した。
首脳会議後の祝宴は伝統行事と知られているが、冬ごもり期間に豪華な饗宴を催したことについては賛否が分かれている。北方諸島は「生活の困窮を知らない者たちが行う支援の有効性はいくばくのものか」と反発を強めている。
・“ないよりまし”生活厳しい北側難民キャンプ
神庭島の北側系難民キャンプの様子が公開された。神庭島は住居が決まらない北側難民に対して、冬季限定で呪い除けのコクーン村を設置している。
コクーン内は呪いを遮断する処置がされており、流行性呪い負けの心配はない。しかし生活に十分な物資があるとはいえず、科学的な生活条件は非常に厳しい。
コクーンに滞在する難民の一人は「夏の間は日雇いの仕事がいくつもあって生活に困ることは無かったが、冬のコクーン内には経済基盤がほぼない。みんな自給自足をするしかなく、生活は厳しい。呪い遮断はないよりましな程度」と語っている。
・強制労働施設のイメージ強くスカスカ 冬季難民支援コクーンの実態
東部公益研究所が廃棄空上国家を再利用した難民向け冬ごもりコクーン“よあけ”が、住民募集に苦戦している。
当該コクーンは冬限定の難民支援施設としてオープンした再生空上国家だ。冬ごもりの必要がない空上国家の地の利を生かし、職業支援と呪い除けを両立した画期的な難民支援施設である。
しかし、居住型施設で職業訓練という支援形態に抵抗を受ける難民が多く、利用申請が伸び悩んでいる。よあけの収容可能人数10万人に対し、実際の利用者は3万人。施設管理者は「職業訓練と強制労働は全く違います。呪い除けのためにもぜひ来年の利用申請をご検討ください」と呼び掛けている。