異界者のためのweb講座 神庭記ってなに?編その3~神庭記 第二譚・昼夜戦争~
今話題の神庭記とは? わかりやすく解説!
異界の皆さん、こんにちは。文字の泉新聞・文字の泉ニュースの神報担当、ウ・オーです。
最近話題の歴史書「神庭記」について、わかりやすく解説してみます。
今回は神庭記の第二譚「昼夜戦争」について説明します。
神庭記の第二譚以降は歴史書
神庭記は4つの譚で構成されています。①神庭神話、②昼夜戦争、③昼譲時代、④人神戦争という分け方が一般的でしょう。
このうち第一譚は神話として、伝承や神々の御言を基に記述されています。それ以降は歴史書として記録されています。
第二譚・昼夜戦争の内容
第二譚は知恵の国の王のうち一人が魔法使いに、女王が昼神神殿の祭司になった後から始まります。第二譚の終わりは神学者の見解により前後しますが、概ね昼夜戦争の終焉をもって区切られます。
第二譚以降の内容は毎日記録されているため膨大な量です。そのため、通常は神庭記・編という、原本を要約した書籍が読まれています。
知恵の王
知恵の国は初め、3人の王・女王を有していました。しかし2人が国を去り、知恵の国は一人の王が治める国となりました。
最後に残ったこの王は文字泉から得た知識を非常に大切にし、「知恵の王」と呼ばれました。
知恵の王は昼神神殿以外にも世界には文字泉があるはずだと信じ、領土を拡大していきました。最終的には、りんごの木文字泉を発見することに成功。知恵の国は新たな知識を獲得し、さらに発展していきました。
りんごの木文字泉から湧出した知識は現在の科学の基礎となりました。
神創り
知恵の王はりんごの木文字泉から宗教に関する書物を発見し、そこから神々を新たに創り出すヒントを見出しました。
知恵の王は国を追放した魔法使いを特別に召還し、神創りを依頼します。魔法使いは好奇心の強い人物だったため、それを承諾し火神を呼び出すことにしました。
魔法使いは知恵の王にこの世界で最も尊い炎を用意するように告げました。知恵の王は国中にお触れを出し、最も尊い炎を持ってきた者の家族には新たなる神の祭司長を任せることにしました。
知恵の国の人々は様々なものを火にくべましたが火神は現れず。貧しい家族の母親が名乗りを上げ、子どもたちに祭司の位を与えるためにと自らに火を付けました。魔法使いは炎に包まれる母親に駆け寄る子どもたちが炎に触れた時、燃え盛る炎に手を入れて火神を引き出しました。
火神は知恵の王を父と慕い、知恵の国と人々に尽くす神となりました。火神を呼び出した親子は火神の祭司となりました。
魔法の国
魔法使いポルソロを眷属にした夜神は、昼神神殿を出て山脈を隔てた遠方に夜の宮を構えました。ポルソロは夜神の教えに従い、宮の近くに家を建て、家族を作りました。
魔法の力に魅了された人々は思いのほか多く、夜の宮のふもとには街が作られました。ポルソロは彼らに魔法を教え、街は次第に「魔法の国」と呼ばれるようになりました。魔法の国は現在の暗黒神国に続いています。
雷都と神創り
魔法使いポルソロが昼の世界を追われて夜神の下に行ったように、魔法の国の周辺は一日中昼が来ない暗闇の世界でした。夜神の眷属たる魔法使いたちはそれはそれで暮らしやすいと思っていましたが、そう思わない人々も魔法の国には集まってきていました。
魔法を使えない民は知恵の国と同じように、自分たちの味方となる神を欲しがりました。ポルソロは民の要請にこたえ、また新たな神を呼び出すことにしました。
ポルソロは一年中雨が降り決して晴れることのない泥の街に目を付け、人々に火のつかないランプを大量に集めて飾らせました。そして人々に「雨の日は楽しい、雨の日は幸いだ」と歌いながら踊るように命じました。
真っ暗闇の中で人々が楽しそうに踊っていると、「ならばもっと楽しくしてやろう」という声がとどろき、火のともらなくなったランプが一斉に光り、雷神と風神が現れました。
雷神と風神は一晩中人々と踊り遊び、雷神は泥の町にとどまることを約束しました。風神はどこかに行ってしまいましたが、泥の町は雷神の力で繁栄し雷都と呼ばれるようになりました。
昼夜戦争
知恵の国と魔法の国がそれぞれ繁栄する中で、火山をめぐる領土争いが勃発しました。
知恵の王は人々に尽くす火神への捧げものとして火山を手にし、火の国を作る野望を持っていました。魔法の国は雷都の人々が地熱発電を考案し、火山の開発を少しづつ進めていました。
昼神の加護を受けた王が治める知恵の国と、昼神に背いた罪人が治める魔法の国。火山の領有権をきっかけに関係は険悪になっていきました。(特に知恵の国は魔法の国を良く思っていなかったようです)
ある日雷都の基地を知恵の国の軍が襲撃し、大規模な戦いに発展。自然神の神々を巻き込んだ戦争となりました。昼神の加護を受けた人々と夜神の眷属が争ったことで世界の昼夜は狂ってしまい、戦争の間、昼の世界と夜の世界が分断されてしまいました。
太光神の誕生
昼夜戦争の最中、知恵の王は昼神の子を知恵の国の王として迎えることを望みました。知恵の王は世界を神々の血をひく者が治めるべきだと考えていました。
知恵の王はおそれ多くも昼神を王妃に迎えることを提案しましたが、祭司であった賢人トコリナがそれを却下。自ら昼神の子を産むことを申し出ました。昼神はトコリナに子授け魔法をほどこし、トコリナは神の子を産む初めての人類となりました。
トコリナは半年の間、神の子を育てついに光り輝く男神を生みました。彼は生まれる前からトコリナを非常に愛しており、母に一切の苦痛を与えずに生まれたと言われています。
トコリナは男神を太光神と名付けました。
昼夜戦争の終焉 知恵の国の勝利
太光神は昼神よりも揺らぎなく光を操る力と、呪いを全く寄せ付けない性質を併せ持っていました。
太光神は長引く戦争で呪い神となり果てた神々(火神と雷神と夜神)を救済し、戦争を終わらせました。太光神はその功績を認められ、知恵の国の王位と昼の世界を統べる権限を譲り受けることとなりました。
次回は第三譚・昼譲時代について解説!
いかがでしょうか。神庭記の第二譚の内容を説明しました。
昼夜戦争は知恵の国と魔法の国の争いから始まり、太光神の力により終結しました。人々の争いを神が収めたという事実が、この後の政治に大きな影響を与えていきます。
次回は神庭記の第二譚、昼夜戦争について解説します。