異界者のためのweb講座 神庭記ってなに?編その2~神庭記 第一譚・神庭神話~

今話題の神庭記とは? わかりやすく解説!

異界の皆さん、こんにちは。文字の泉新聞・文字の泉ニュースの神報担当、ウ・オーです。

最近話題の歴史書「神庭記」について、わかりやすく解説してみます。

今回は神庭記の最初の部分、神庭神話について説明します。

神庭記は4つの譚で構成されている

神庭記は4つの譚で構成されています。①神庭神話、②昼夜戦争、③昼譲時代、④人神戦争という分け方が一般的でしょう。

神庭記が記録した時代を神庭時代といいます。この時期のことを分かりやすく解説したべーじがありましたので、参考にしてください。

第一譚・神庭神話の内容

第一譚は神庭記が記録され始めた以前の出来事を記しており、神話として伝えられています。一般の人々が神庭記と言った場合には、この第一譚を指すことが多いです。

第一譚は自然神教の共通経典としても知られています。自然神教の信徒でなくても、一般教養としてよく知られた内容です。

昼神降誕

世界は一柱の神が庭に降り立ったことから始まりました。彼女の存在により庭には日の光が差し込み、生命が生まれました。この神は昼をもたらしたので、昼神と呼ばれました。

昼神が庭を進んでいくと宮殿があり、彼女はそこに住むことにしました。その宮殿には誰も住んでいませんでしたが、彼女が”ある”と思うものは存在し、思わないものは存在しませんでした。そこはまさしく彼女のための宮殿だったのです。

昼神の住まう宮殿は昼神神殿と呼ばれました。

夜神の登場

昼神は神殿から庭を眺め、さまざまな生命を見守って過ごしました。しかし昼しかない庭には生命がただ存在するのみで、何を営むということもありませんでした。

昼神が変化のない生命に疑問を持ち始めた時、宮殿に夜神が現れました。夜神は昼神と対をなす神であり、彼の存在により庭の日が暮れ始めました。

庭には明けと暮れが訪れるようになり、世界が始まったのです。

2柱の神々は寝起きを対にして世界を治めました。昼神は昼間に生命の誕生を見守り、夜神は夜間に生命の終わりを見届けることにしました。

はじまりの三人と昼神の出会い

庭が世界となりしばらくした後、昼神神殿に3名の若者がやってきました。彼らは世界のどこかにある知恵の泉を探し、昼神神殿に迷い込んだのです。

若く何も知らない3人。彼らを昼神は気に入り、神殿に泊めることにしました。この三人の若者ははじまりの三人と呼ばれました。

知恵の泉

はじまりの三人は昼神に知恵の泉のありかを知らないかと尋ねました。昼神には心当たりがありませんでしたが、神殿の裏庭を調べると小さな泉を見つけました。

泉から湧き出す水には文字や物体が含まれ、昼神はそれらを説明することができました。はじまりの三人はそれをすくい上げ、昼神に教えを乞うことを求めました。昼神は三人にそれを許可し、はじまりの三人に様々な知恵を与えました。

知恵の泉から得た知識は膨大でしたが、その中でも言葉、政治、宗教、暦、食糧(種)の知識を得たことは有名です。

知恵の国

1年のあいだ昼神神殿にて知恵を蓄えた若者たちは、やがて村に帰りました。彼らは一族をまとめ上げて家を作り、畑や祭壇を整備し、小さな国を作りました。

彼らの作った国は知恵の国と名付けられ、三人は共に王や女王となりました。知恵の国の建国を祝して王たちは世界の暦を作り、それが現在まで続く神庭暦となりました。

知恵の国はその後神庭時代を代表する大国に成長し、歴史の中心となっていきます。

魔法使いの誕生

神庭暦1年の暮れ、知恵の国の王の一人が夜神の下を訪れました。彼は知恵の泉から得られる知識を「借り物でありまがい物である」と考え、我々の世界そのものを表す知識を求めました。

夜神は彼の求めに対しすぐに応えることはせず、試練を与えました。夜神の試練とは、昼神の力を盗むことでした。

夜神は昼神の力は昼の間は彼女の中にありますが、夜の間は世界に預けてあるのだと言います。若き王は夜の昼神神殿に忍び込み、昼神のふりをして世界をだまし、昼神の力を盗んでしまいました。

若き王の行いに気づいた昼神でしたが、彼女の力は盗まれても無くなるものではなかったので、彼を許しました。しかし若き王は昼の下で暮らすことを禁じられ、夜神の眷属として生きることを余儀なくされました。

若き王は知恵の国を去り、夜神に教えを乞う生活を始めました。若き王はすでに王ではなく、魔法使いとなっていました。これが魔法使いの誕生と言われています。

次回は第二譚・昼夜戦争について解説!

いかがでしょうか。神庭記の第一譚の内容を説明しました。神庭記のもっとも有名な部分である第一譚は、世界の始まりが記録されています。世界の常識と言っても過言ではない内容ですから、異界の方もある程度は覚えてくださると幸いです。

次回は神庭記の第二譚、昼夜戦争について解説します。