「詐欺じゃん!」無礼な通報者後たたず 勇者隊困惑

勇者隊の救助を土壇場で拒否する事件増加

呪い負けから災害救助まで幅広い公益活動に取り組む勇者隊。町のヒーローと言うべき存在の彼らだが、近年は”無用の通報”に苦しんでいるという。

無用の救助要請疑いで通報者を逮捕

今月10日、魔境帝国東部の山道で勇者隊への無用の救助要請を繰り返した疑いで20代の男女6名が逮捕された。

犯行グルーブはメンバーが転倒による軽傷を負ったため、勇者隊に救助を要請。しかし勇者隊が到着すると、「誤って通報した」と虚偽の理由で救助を断った。その後5回にわたって虚偽の999コールを繰り返し、勇者隊の業務を著しく妨害した疑いがある。

勇者が魔族だと知らなかった疑い

主犯格の男は「勇者隊を呼んだのに魔物が来たので追い払った。救助要請をするほどの怪我ではなかったかもしれないが、魔物に騙されそうになったのが罪だとは思わない」と、一部容疑を否認している。

警察は犯行グループが勇者隊の魔族メンバーを魔物と誤認した可能性があると指摘。しかし犯行グループの他のメンバーが知り合いに魔族への嫌がらせ行為をほのめかすような話をしていたという証言もあり、誤認と故意の両面から捜査していく。

「魔族差別も無用の通報もやめていただきたい」勇者隊組合コメント

この事件を受けて勇者隊ユニオンは声明を発表した。

「人々の安全を守る勇者隊は、様々なルーツを持つメンバーが力を合わせて運営しています。特に前線に立って活動するメンバーにはEDBFY+(魔族)が多く、彼らこそが勇者隊の本丸と言っても過言ではありません。

近年、救助を要請したのに到着した隊員を見て要請を取り下げるという事案が多発しています。悪魔や猛獣系の獣人の隊員も、高潔な精神と強靭な肉体を持つプロの勇者です。安心して救助を受け入れていただきますよう、お願い申し上げます。

また、軽微な理由による無用の通報も多発しています。999コールはいつでもどこにいても要請できるものですが、勇者隊の力も有限です。より緊急性の高い助けを必要とする方のために、まずは地域の自警団や消防などをご利用ください。」