ワープ上限は自分で増やす?無資格者のWTY事故が多発
無資格者のワープ事故が多発
西魔法大陸で無資格者向けの簡易ワープキットが禁止されたことは記憶に新しい。
しかし世界ではいまだに無資格者がワープキットを利用し、事故に会うケースが増え続けている。
ここ 2年で爆増 時空魔法事故の救助要請
ワープキットが原因とみられる無資格者によるワープ事故は、ここ2年で爆発的に増えている。ワープ事故に対応する救助隊への救助要請件数は、3年前に比べて4倍以上に膨れ上がっている。
ワープ上限の絞り込みが原因か?
このようなワープ事故多発の背景には、ワーピストのワープ上限の変動があると考えられる。
7月のワープ上限半減でワープ需要過多に
5998年、世界ワーピスト協会はワーピストの適正稼働と安全性向上のために、年間のワープ上限をそれまでの7割にまで削減した。
特に全魔検の影響でワーピスト人員が減ってしまう7月のワープ上限は半減にまで落ち込んだ。
ワーピスト予約は至難の業 WTYが増加
その結果、ワープを求める人がワーピストを確保できない事態が多発した。特にワープがライフラインと化していた東西魔法大陸では、ワーピスト難民が街にあふれかえることとなった。
その結果、自らワープするWTY(ワープ・トゥ・ユアセルフ)を提唱する人々が激増した。彼らは本来ワーピスト専用であったワープキットを改造し、「魔法人ならだれでもワープができる」という触れ込みの簡易ワープキットを販売し始めたのである。
しかし魔法使いなら誰でもわかるように、ワープは特別な才能を持った魔法使いにしかできない特異な時空魔法である。
簡易ワープキットは効果を発揮することもあったが、全く効果が無いこともあった。それならまだしも、中途半端なワープによって時空のはざまに落ちてしまうような、ワープ事故が多発することとなってしまった。
ワープ事故のほとんどが無資格者の短距離ワープ
実際に、近年発生しているワープ事故のほとんどは無資格者による短距離ワープだと報告されている。ワーピスト達の事故率は年々減少しているのに対し、事故の総数は増加している。
簡易ワープキットは「初めは短距離から」と説明書に記載しているものが多い。それゆえ、近くのスーパーに行くためにワープキットを使用して時空の塵となってしまう不幸が後を絶たない。
短距離でもワープ事故の被害確率同じ 公共交通機関を利用して
世界ワーピスト協会理事の一人は、「短距離ワープは安全」という認識に警鐘を鳴らしている。
彼によると、時空魔法のワープは短距離・長距離という概念が無い。つまり、短距離ワープでも長距離ワープでも事故の発生確率は変わらないということだ。
世界ワーピスト協会は簡易ワープキットの危険を、引き続き全世界に向けて発信する方針である。
ワープ事故は、救助されなければ永久に時空のはざまをさまよい続ける深刻な事故である。ワーピストの予約ができない場合はWTYではなく、公共交通機関を利用するようにしてほしい。