タイムマシン派遣 「まずは過去6000年間に限定」方針決まる

世界研究倫理委員会が方針定める

東部魔科学研究所が開発した無干渉タイムマシンの運用について、世界研究倫理委員会の緊急総会が開かれた。

総会では無干渉タイムマシンを運用する際のガイドラインが定められ、これは今後のタイムマシン派遣の指針となる。

時間旅行は過去6000年間・研修修了者に限定

総会の発表した無干渉タイムマシン運用ガイドラインによると、時間旅行は次の条件で実用化される。

  • 無干渉タイムマシンで指定できる移動先は当面、神庭暦0年~6000年の間とする
  • 無干渉タイムマシンの乗組員は全員が時間移動研修(300時間程度)を修了する
  • 記録員などのサポートスタッフは時間移動に関する所定の講習(50時間程度)を修了する
  • 無干渉タイムマシンに乗るすべての人員は乗り組み前調査を受ける
  • 無干渉タイムマシンに乗ったすべての人員は帰還後1年間、監視期間に入る

今回の総会によると時間旅行は当分の間、過去6000年に限られる。なおかつ、タイムマシンに乗れるのは長時間の研修を受けた者のみとなる。

自由自在な時間旅行への道のりは長いようだ。

神庭前と未来への旅は解禁未定

世界研究倫理委員会は神庭前の過去と未来への時間旅行は禁止することにした。その理由は「世界への影響の大きさを考えた結果、現在の段階で運用は困難」だという。

タイムマシンに未来への希望を託していた人々からは、「がっかりした」とため息が聞こえてきそうである。

解禁時期は未定だが、ひとまずは決められた期間内での時間旅行を安全に遂行することが必要なのだろう。

世界時空管理センター タイムマシン担当機関を設立へ

今回の決定を受け、ワーピストの時空魔法運用を管理・指導する世界時空管理センターは、時間旅行の担当機関を設立する準備に入った。

センター長で大魔導士のサジノオオサキ氏は、

「時空魔法といいながら、これまで時間を移動するワーピストはほとんどいなかった。タイムマシンが稼働することになれば、これまでの管理体制では不十分。大規模な専門機関が必要になった」

とコメントしている。

早ければ今冬からタイムマシン派遣可能に

東部魔科学研究所は世界時空管理センターの管理・指導を受けながら、無干渉タイムマシンの実質的な運用を準備していく予定だ。

すでに乗組員の選定は終了しており、研修期間に入っている。サポートスタッフも順次決定し、研修とトレーニングを開始する。

早ければ今冬からタイムマシンが派遣可能になる。人類の夢の一つである時間旅行が現実のものとなるのも、もうすぐだ。