青い鳥文字泉が開発中止 原因は致命的な呪い漏れ

魔境帝国と旧ロゼッタ農業国が共同開発していた青い鳥文字泉の開発中止が発表された。先月上旬に発見報告があったばかりの文字泉だが、深刻なトラブルがあった模様だ。

ダイバーに呪い被害 重軽傷者多数のもよう

合同開発チームの発表によると、青い鳥文字泉が開発中止となったのは、文字泉に深刻な呪い漏れがあったからである。

呪いは文字泉から文字を採掘する時に溢れるように出現するため、開発を続ければ継続的に呪い漏れが生ずるおそれがある。

採掘作業を担当していたダイバーに呪い被害が出ており、重軽傷者が多数確認されている。なお、けが人はいずれも命に別状はなく、死者は出ていない。

魔境帝国と旧ロゼッタ農業国は廃泉を決定

魔境帝国と旧ロゼッタ農業国は、「文字泉から漏れ出す呪い量が多すぎるため」として開発中止を決定した。

青い鳥文字泉は解呪師によって封印措置が取られ、現在は廃泉となった。

旧ロ隣国も廃泉はやむを得ないと了承

青い鳥文字泉については旧ロゼッタ農業国の隣国も所有権を主張していた。しかし今回の発表を受けて、旧シェリア山岳国や旧ボルドース食国家政府も廃泉を了承した。

開発費めぐり魔境帝国で政権に非難相次ぐ

やむを得ない廃泉措置だったとはいえ、開発に多額の投資をしていた魔境帝国内では政権を非難する声が相次いだ。

魔境帝国といえば、今年北側諸国難民の支援に30兆マークルを拠出すると決定したばかりである。相次ぐ国家予算級の出費に対して、世論調査では「無駄遣い」という声が多数上がっている。

呪い漏れ被害者は管理治療中 死者はなし

呪い漏れの被害者は現在、旧ロゼッタ農業国の周辺海域で停泊中の医療船に入院している。

重軽傷者共に管理治療を要する状況だ。開発チームは呪い漏れ被害は命に別条ないとしながらも、呪い状態の悪化による自傷等を防ぐために管理入院が必要だと説明している。

攻撃性と物事を一様にしか考えられない症状

今回の青い鳥文字泉の呪い症状は、2つの特徴がある。

1つ目は攻撃性の強化。呪いを受ける前よりも攻撃的な性格になり、ちょっとした刺激で暴力的な行動を起こすようになる。

2つ目は想像力の低下と思い込み。ある事柄についての初発の考えを変えられず、思い込みを強化する思考癖がつく。物事を一様にしか考えられなくなり、言いがかりをつけたり勘違いでのトラブルを起こしやすくなる。

弱力だが感染性あり 治癒までは管理入院

青い鳥文字泉の呪いは命に別状はない程度の弱力な呪いである。ただし解呪前の被害者とコミュニケーションをとることで呪いが感染する恐れがある。

呪いが解けて治療が完了するまでは、管理入院を必要とする。

無症状のダイバーや家族も治療対象に

呪い被害を受けたダイバーは直ぐに病院船に隔離され、呪いの感染拡大は封じ込められている。

しかし無症状だったダイバーに後から呪いの症状が出ることが確認された。今回の呪いは元々の性格・思考癖で症状が見つけにくい場合がある。

共同開発チームは青い鳥文字泉の開発に関わったすべてのダイバーを管理入院させ、呪いの封じ込めを図っている。入院前にダイバーとかかわっていた家族も治療の対象となる。

症状軽ければ命に別状なし

共同開発チームは呪いが拡散する恐れは否定できないとしながらも、呪い自体は弱力で命に別状はないと強調した。

症状が軽ければ時間の経過とともに軽快し、解呪の必要もない。呪いに感染しないためには、物事をポジティブに考えるようにし、寛容さを忘れないようにしてほしいとしている。

体傷療法と心理療法を選択し治療

呪い被害者の初期治療は解呪師によって行われる。患者は心へのダメージを身体的なダメージに変換して治療する体傷療法か、呪いの進行を抑えて心を回復させる心理療法のいずれかを選択できる。

体傷療法は身体を傷つけるものの、心理的ダメージをほぼ全快させることができる。心理療法はレジリエンスを強化する形で治療を進めるため、より自然な回復が期待できる。

青い鳥文字泉の呪い被害者の治療機関の目安は、どちらの治療法を選択しても1か月程度とのことだ。