北方諸島が困窮国家に?! 北側大陸海没の影響

有力な貿易相手なくした北方諸島 困窮まっしぐら

北側大陸が海没して5年、北側大陸と密接な貿易関係にあった北方諸島に危機が迫っている。

完全自給自足には戻れない 変わってしまった島の人々

北方諸島は元来自給自足の島であった。しかし北側大陸との貿易が始まって以降、食糧生産が減少。北側大陸からの食糧輸入に依存するようになっていた。

5年前に北側大陸の突然の海没により、食糧の輸入先を失った。その後は自給自足の生活に回帰したが、栄養効率の良い食糧の簡便さを忘れることはできない。

北方諸島の超過酷農業 若者から年寄りまで忌避

国内の食糧輸入への希求は高まり続けている一方で、農業人口は減り続けている。北方諸島の人々は、もう農業をしたくないのである。

というのも、北方諸島は気候的にも土地面積的にも農業に適さない環境である。冷涼で日照時間が短いうえに、農耕に適した土地が少なく、雨は降ったそばから海へ流れ出る。

農業技術も導入困難 手作業農業は今更ムリ

大規模な農場を想定した先進技術を取り入れることが難しく、手作業による農業は過酷を極める。

自由意思による職業選択が認められてからは、農業を志す者はほとんどいなくなった。

巫女魔法もジリ貧 南側諸国との安定貿易目指す

現在の北方諸島は土着の巫女による魔法で、一定の豊穣を確保している。それでも農業人口が減り続ける中で、食糧備蓄の余裕はない。

北方諸島の島長の一人は、「巫女様の力をもってしても、収穫量は冬ごもりにギリギリ足りるくらい。呪い明けが後ろにずれれば、たちまち飢餓が現実的になってくる」と厳しい現状を語る。

東西魔法大陸が貿易先として有力か? ワーピスト育成も課題

北方諸島としては、自国の農業力向上に加えて食糧の安定的な輸入も再開したい方針だ。

貿易相手としては、東西魔法大陸が有力候補である。北方諸島は世界の北の端にあるため、魔境大陸や東部地区との貿易はコストがかかりすぎるからだ。

それよりは世界の北端から南端に出るワーピスト航路を利用し、東西魔法大陸と貿易する方が現実的である。

北方諸島はワーピストの大量育成を進め、貿易に向けて各国と協議する予定である。