一日一事 世界びっくりグルメ紀行 「神庭亭フルコース」
神秘の島の人気料亭へ!
世界びっくりグルメ紀行、コラムニストのメーグルマンである。
今回は巡礼祭の取材陣に相乗りして、神話の息づく大陸・神庭島にやってきた。
巡礼祭と言えば、自然神の神殿をめぐるのが王道である。だが、私は当然”花より団子”*1。空港を降りたってすぐ、神庭島の人気料亭に直行した。
神々も通う上品なフルコースが自慢
お邪魔したのは、神々も足しげく通うという老舗「神庭亭」。季節折々の食材を使った上品なフルコースが自慢の料亭である。
伝統と格式ある店ながら、テリピンチャンネル経由の予約も受け付け中。懐の広さに感謝しつつ、荘厳な水神造りの店内に入った。
水神様ご推薦のメニュー 川さくら
私は神庭島には初上陸である。グルメ王などと呼ばれてはいるが、このような神々御用達の料亭は初めての経験。
ここは知ったような顔をせず、素直におすすめを頂戴しよう。
女将によると、今の季節にぴったりなメニューがあるという。そのメニューは「川さくら」というフルコース。なんと、あの水神様が神々にご推薦したほどのメニューなのだという。
四季を感じる食材選びに感動
まずは前菜が運ばれてきた。神々を接客した経験もある仲居の面々は、祭司のような厳かな所作である。
涼やかな川をイメージした氷皿には、一口サイズに整えられた野菜と刺身が美しく並べられている。ソースは単純だが、素材の風味を引き立てるような味だった。
後から知ったことだが、神庭島の夏は非常に蒸し暑いのだそうだ。そんな気候の下で暮らす人々にとって、水神の加護を受けた冷涼な川は癒しの場である。氷皿は、そんな川を表現しているものらしい。
空港からドアトゥドアでやってきてしまったことを恥じるような、風流なコースであった。
水神様が毎年所望のエビ天はカリふわでサクサク
私が心を奪われた一品は、エビの天ぷらである。神庭島の夏の名物「川えび」を、米粉の衣でカラッと揚げている。
衣は始めカリカリで、噛むとサクサク。えびは基本ぷりぷりであるが、特殊な刃入れによって最初の一口だけふわっとした口当たりである。
これまでに何百と天ぷらを食してきたが、何本でも食べたいような、そんな素晴らしい天ぷらであった。
こちらの天ぷらは水神様もお気に入りで、毎年必ず神庭亭を訪れては食していかれるそうだ。
神領内につき礼儀には気をつけて通おう
天ぷらが絶品の神庭亭。神庭島を訪れる際には、ぜひ予約にチャレンジしていただきたい。
伝統の料亭だが、気取って格式ばったことを求めることはない。しかし神領に所在しているため、神々への敬意を忘れずに食事を楽しもう。
*1:出泉語。目や耳で楽しむような風情のあるものよりも、お腹に入るような実利が伴うものを好むこと。グルメとは本来、粋を解さぬ者なのである。