一日一事 「セイカイトキワタリ」

タイムマシンで話題 セイカイトキワタリとは?

東部魔科学研究所のタイムマシン会見で大注目を集めている、セイカイトキワタリ。いったいどんな生物なのでしょうか?

セイカイトキワタリの生態について、西魔法大陸ソバト王立魔法学園のモゴチ教授にお話を聞いてきました。

東西魔法大陸の間の島だけに生息する魔法虫

記者:先日の東部魔科学研究所の会見で、タイムマシンにセイカイトキワタリが応用されていると話題になりました。

セイカイトキワタリとはどのような生き物なのでしょうか?

教授:セイカイトキワタリは、魔法粒を食べる小さな虫です。体の90%以上が魔法粒で出来ていて、動く魔法粒とも呼ばれています。

キラキラしていてとってもきれいな虫ですよ。

世界でも珍しい魔法虫で、東西魔法大陸の中間にある魔の海域にしか生息していません。東部地区の研究者が飼育していたのには驚きましたね。

一生同じつがいで過ごす 夫婦円満の象徴

記者:セイカイトキワタリは東西魔法大陸の人々には良く知られているのですか?

教授:はい、夫婦円満の象徴としてとてもなじみの深い虫です。結婚式の引き出物には、セイカイトキワタリの姿を模したブローチが定番ですね。沢山あると、夜にぎょっとするんですよ。

記者:虫が夫婦円満の象徴なのですか?

教授:セイカイトキワタリは2~3年くらい生きる意外と長生きな虫なんですがね、一生を同じつがいで過ごす特徴があります。それで、夫婦円満。

実はそうでもないんだけどね…

実は浮気三昧?! 驚きの生態とは

記者:そうでもないとは?

教授:記者会見でも担当者が言いそうになっていたけどね、セイカイトキワタリは浮気をするんです。しかも完璧な方法で!

時抜けで浮気相手の所へ通う

教授によると、セイカイトキワタリは一生おなじつがいで過ごすが、たびたび浮気を繰り返す生態があるという。

浮気はなんと、パートナーと一緒にいるときに敢行される。自分の姿を複製して移動する”時抜け”という技を使い、こっそり浮気相手の元に移動するのだ。

帰ってきたら魔法成分で痕跡を消去 浮気をなかったことに!

そして浮気を済ませた後はこれまたこっそりとパートナーの元へ帰宅。時抜けで複製した自分の姿と合体し、何事もなかったかのように過ごす。

また、セイカイトキワタリは浮気の痕跡も完璧に消すことができる。浮気現場から帰ってくるときに、特殊な成分の魔法粒を散布。自分が移動した痕跡を、全くなかったことにできる。

魔法成分を散布する行動アルゴリズムがタイムマシンに応用

これまでにもセイカイトキワタリの分泌する魔法成分は時空魔法の分野で研究されてきた。しかし成分を特定するだけで、応用には至らなかったという。

今回は生物学者により、セイカイトキワタリの魔法成分散布の行動アルゴリズムが解析された。その結果、痕跡消去に重要なのは魔法粒成分の組成と散布方法だと判明したとのことである。

科学者がセイカイトキワタリの生態を解明したことについて教授は、

「魔法学者はほとんどが魔法使いだから、体内の魔法粒が干渉してセイカイトキワタリの自然な行動を観察するのは難しい。空気のように観察できる非魔法人の科学者だったからこそできた偉業。すばらしい!」

と絶賛していた。