始祖神に男の影!?初スキャンダルに民衆から賛否

始祖神が神庭神殿で密会?月刊スネイクアイズが報道

6000年6月、月刊スネイクアイズが始祖神の熱愛スキャンダルを報じた。同誌によると、始祖神の神殿を訪れた青年が熱愛相手の可能性がある。

始祖神のプライベート神殿に職員以外の男性が訪問

青年は先月中旬から、始祖神の生活スペースとなっている古代神殿に出入り。綿密な取材の結果、彼は職員外の人物であると判明した。

始祖神に仕える祭司の密会相手でない限り、青年は始祖神の客人ということになる。

祭司が帰宅した後も男性は神殿にとどまる そのまま宿泊か?

月刊スネイクアイズは6000年5月26日の始祖神古代神殿の模様を掲載。始祖神付きの女性祭司たちが帰宅後の22時、当該の青年が古代神殿を訪問。始祖神が出迎えた。

始祖神と青年は古代神殿に入り、そのまま神殿内にとどまり宿泊した。青年は祭司たちが出勤する前の早朝4時ごろ、古代神殿を後にした。

神庭島管理委員会コメント「個人的な交流は始祖神にお任せしています」

この報道について、神庭島の政治機関であり始祖神の身辺を預かる神庭島管理委員会がコメントを発表した。

神庭島管理委員会の公式テリピンチャンネルによると、

「始祖神をはじめとした神々の個人的な交流は、その御心にお任せしています。神々は神領内待機の自己制約を5000年以上お守りになっております。個人的な交流を監視しなくとも、神々が人々の安全を侵害する心配はありません。」ということだ。

始祖神の初スキャンダル 民衆の反応別れる

始祖神のスキャンダルは、今回の降臨で初めてとなる。これに対して自然神教徒を含めた民衆からはさまざまな意見が飛び交っている。

好意的反応「神も自由に恋愛できる 人化した始祖神はなおさら」

始祖神の熱愛報道に対して、好意的な意見は多数みられる。以下は個人紙上で始祖神のスキャンダルに言及した人々の声である。

  •  神様にも自由恋愛の権利があるべき。人間らしくて好感が持てる
  •  他の神々が人間と恋愛していたらショックだけど、彼女は人化している。人間の恋人がいても違和感はない
  •  始祖神とはいえ若い女性なのだから、恋愛は当たり前のこと
  •  神様を射止めた男性が誰か気になる でもプライベートは守られるべき

など

否定的反応「神的存在にしては軽率 教徒の気持ち考えて」

始祖神のスキャンダルについて、否定的な反応は次の通りだ。

  • 始祖神は人化しているとはいえ神的存在。神殿内に民間人を連れ込むような軽率な行動は慎むべきだ。
  • 自らの信仰する神の愛が個人に向けられていると考えたら涙が止まらない。始祖神教徒の気持ちも考えてほしい。

撮影に問題は?取材担当者は「人領地から撮影し違法性はない」と弁解

以上のように賛否が分かれる熱愛報道であったが、古代神殿内を無断で撮影した月刊スネイクアイズの取材体制に問題はなかったのであろうか。

違法取材の指摘に対して同誌の編集長は、「取材担当は人領地から撮影し、神領は犯していない。聞き込み取材も合法な範囲で行った。取材に違法性はない」と弁解した。

今回の報道について神庭島管理委員会は、訴訟の意向を示していない。ただし、今後報道が過熱すればなんらかの対抗措置をとる可能性はある。

人化した神 人権を有するのか?法律家の見解は

今回の始祖神のスキャンダルについて、民衆の賛否は分かれている。人々の議論を総合すると、「人化した神」であることが自由恋愛を認めるべきか否かの争点となっているようだ。

始祖神は人なのか、神なのか?いずれにも該当するのか?そして人間との恋愛は許されるのか?

宗教法律に詳しい東部法律研究所のC氏に、見解を聞いてみた。

始祖神のスキャンダル報道 プライバシーの侵害には当たらず

記者:今回の始祖神の熱愛スキャンダルは、始祖神の生活スペースとなっている古代神殿を撮影していました。これはプライバシーの侵害にはあたらないのでしょうか?

C氏:プライバシーという概念は、人権に基づくものです。神々には人権がないため、法律上プライバシーの権利もありません。

記者:始祖神は人化していますが、人権はないのでしょうか?

C氏:人化というのは、科学的もしくは魔法学的な現象であり法律上の意味はありません。神々の肉体が神的なものであれ人間的なものであれ、法的には神として扱います。

記者:人化は神々の法律上の扱いに影響しないのですね。意外でした。

C氏:もちろん心情的な扱いの違いはあってしかるべきです。始祖神は他の神々とは異なり、100年以内に滅びゆくお体なのですから。

法律上は人権が認められなくても、人々が配慮する形で人権に近いものを保障することは可能でしょう。

人化しても神は神 神領内を無断撮影で神罰が下る可能性あり

記者:今回の取材者は「人領内から神領を撮影したので違法性はない」と弁明していました。このような抜け道的な取材は許されるのでしょうか?

C氏:「人領地では人の法律が、神領では神の法律が適用される」という人神分離の法則を根拠にしたいようですが、これは誤った法解釈をしています。

この取材は人領地内から神領を撮影していますね。この場合撮影は、遠隔作用の扱いをします。人領地から神領に石を投げた時と同じです。

…要するに、撮影が行われた地点は撮影者の足元ではなく撮影された被写体のいる地点と解釈されます。

記者:撮影は神領で行われたものとなるんですね。つまりこの取材は違法?

C氏:取材者の行為は人領地内で人法で裁くことはできません。…そもそも神々が人権侵害を理由に人々を訴えることはできませんが。

取材者が裁かれるとすれば、神々の法律で裁かれることとなります。

記者:すべては神のみぞ知るというわけですね

C氏:神々が一介のカメラマンを裁くことは無いと思いますが、悪質な取材が続けば神罰の対象になる可能性はあります。

これまでの判例によると、神庭島で人神領の境界警備員だった男性が神庭の花に触れたという理由で神罰を受けています。

神々は基本的に懐が深いですが、思わぬところで厳しい裁きを下されることもあります。我々は神々への敬意を忘れずに生活したいですね。

神に人権はないが そもそも人権規定にも自由恋愛の条項は無し

記者:神々に人権は無いとのことですが、人間のような自由恋愛は認められないのでしょうか?

C氏:その発想にはいささか疑問が残ります。そもそも人権の規定には自由恋愛についての項目はありませんよね?

恋愛の自由度については法律ではなく、文化的・道徳的な文脈で語られるものです。

神々に人間の道徳観や常識が通用するかは宗教研究者に聞くべきです。法律研究者としていえることは、神々の自由恋愛は法律に関係がないということです。

記者:確かに人権で認められているから自由恋愛するわけではないですね。盲点でした。

C氏:婚姻と言う話になれば法律上の解釈が可能ですが、それは今回の取材趣旨ではないですよね

記者:その通りです。そもそも神々には戸籍がありません!

C氏:ご明察ですね

記者:今回はありがとうございました。

始祖神の恋愛は法律では語れない事柄のようだ。記者個人としては始祖神も恋愛できる世界であってほしいと思う。