個人紙
書籍などの既存メディアに比べて、個人紙は多様なテーマと自由な表現が評価されている。様々な形の表現物を一定のフォーマットに落とし込むことで、誰でもどんなものでも世界に向けて発信できるようになった。
自由な表現の土壌から生まれた傑作は数多あり、一時は「本屋が新聞屋につぶされる」というフレーズが流行したほどだ。
文字ノ泉ニュース6001年2月11日
こじんし
文字ノ泉世界の大人気SNS。正式名称は「個人新聞紙(こじんしんぶんし)」という。
個人紙とは
出版社や新聞社に所属していない個人が発行できるごく短い新聞で、内容は私的なものからプロ顔負けの報道までさまざま。アナログとデジタルが半々なホームぺージ、またはブログサービスといった印象である。
個人紙サービスの発祥はとある町の新聞屋で、近所の子供達が書いている学級新聞をまとめて売り始めたのがきっかけだという。現在この新聞店は商売を広げ、個人紙サービス大手の「レッドタートルズ」という赤い亀さんがトレードマークの大企業に成長した。
個人紙サービスはレッドタートルズのほかに、大学サークル発のベンチャー企業が手掛ける「グリーンブックス」、魔法使いのネット掲示板が母体の「シャインニング」が有名(なぜか全部映画っぽい名前である)。メディア系サービスの大手というものは、だいたい3つくらいなのかもしれない。
個人紙の作り方
個人紙の記事は、紙とペンさえあれば誰でも書くことができる。
用紙はA4より少し大きいくらいのサイズで、一つの記事は必ず用紙1枚に収めなければならない。しかし規定はほとんどこれだけで、内容はどんなものでもOK。某ちゃんねる系インターネットと比べても、非常に自由な表現が許されている(これにはやはり功罪があるようだが)。
書き手は用紙に自由に記事を書き(これはデジタル印刷でも良い)、近所の新聞屋さんに有料で入稿する。すると後日、他のユーザーの書いた記事と共に新聞紙としてまとめられ、購読者に販売される。
複数発行者が書いた記事を編集するのは新聞店で、購読者の趣味に合わせて記事を選定し個人紙を作る。ただ、今時1から個人紙を作っている新聞店は少ない。多くの新聞店は、先述した大手個人紙サービスが編集したページと店舗独自の編集ページを組み合わせて販売している(だいたい7:3の割合)。
編集の腕が良い新聞店は購読者を増やすことができるため、新聞配達を廃業して個人紙一本にしているなんて店もある。それくらい個人紙が持つ市場は大きいのだ。
個人紙の記事を書いた人は発行者と呼ばれ、記事の販売利益に応じて原稿料を受け取れる。記事を入稿する時には入稿料金を支払う必要があるため、原稿料で儲かるかどうかは記事の質次第ということだ。世の中にはわずかだが個人紙の売り上げだけで生活しているような、プロブロガーならぬプロ個人紙ライターも存在する。どこの世も趣味が高じて…というカリスマはいるらしい。
ちなみに、情報漏洩防止のためにSNSを禁じる企業があるように、職業によっては個人紙の発行を禁止されている人もいる。当方が雇われている文字ノ泉新聞社は個人紙の副業OKとのことなので、一度書いてみても良いかもしれないと思っている。